葛藤を覚える

随分と昔、私はどうしたら悩まなくて済む心になるのだろう?と考えました。その結果、そうだ!心が成長すれば悩まないのでは?との結論に達し、スーパーバイザーの教授に「心ってどうしたら成長するのですか?」と単純に質問しました。すると、答えは「何度も葛藤を繰り返し、乗り越えて行くこと」でした。

私は「え~、また悩まないといけないの?」何もしなくても心が成長してくれればいいのに…、悩むのはもう嫌だ、と思ったのを覚えています。

葛藤とは、複数の欲求や思考・願望が同時に存在し、どちらを選ぶか迷い揺れ動く状態をいいます。例えば「これも欲しいけど、あれも欲しい」「これはしたくないし、あれもしたくない」「学校には行きたくないけど、いい大学にはいきたい」など。これは自分自身との戦い【内的葛藤】です。

【対人葛藤】は他人との関係で生じる対立や衝突の戦いです。例えば、意見の相違や利益の競合など。職場の問題などは本当に良くあることですね。

そして【価値観の葛藤】は自分の信念や価値観との間で生じる対立です。例えば、宗教や道徳的なジレンマ、倫理的な問題に直面すること。

また、異なる役割や責任を果たすことによって生じる対立【役割の葛藤】例えば、仕事と家庭のバランスを取ることに悩む、職務上の役割と自分の考えの相違などです。

こうした葛藤を乗り越えるには、自分自身を理解し向き合い、限界に挑戦しなければなりません。そうすることによってやがては困難を乗り越え、より強く成熟した心を持つことができるのです。乗り越えるための努力を惜しまないことも大切です。

簡単に言うと葛藤を覚えることは、自分の価値観や足りないもの、苦手なことに向き合うこと、自分の「課題」でもあるんですね。

それにしても人生って楽じゃないですね。でも思い通りにならない葛藤を覚えるからこそ、生きて行く価値があるのかもしれません。

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