愛着障害の影響

愛着障害は幼少時の環境が原因となっているため、薬物療法や認知療法だけで治していくものではありません。
愛着障害によって、その二次的状態であるうつ病や適応障害を発症したり、依存性・境界性のパーソナリティー障害で薬物療法を要することもあります。しかし薬物療法だけ行っても根本的な解決に至ることは難しいものです。
なぜなら、愛着障害は不安定な愛着スタイルの人が持つ愛着の傷の修復には「心の安全基地」の存在が重要だからです。
「安全基地」とは、自分がつらいときや不安なとき、満たされたいときなどに、心理的に安心できる「人」や「場所」のことをいいます。
具体的には、ありのままの自分を話せる人や信頼できる人の存在です。精神科医や心療内科医、心理カウンセラーでもよいです。または、好きな音楽や絵、本の世界でもかまいません。
そこにいれば、自分は守られている、安心していられると心から思える居場所を確保することが大切です。
「安全基地」を得て、心が十分に満たされ「そこに自分がいてもいいんだ」という自負が芽生えると、無意識のうちに心の奥に引っ込めていた自分自身を表に出せるようになっていきます。
人との付き合い方のスタイルもおのずと変わり、少しずつうまく付き合えるようになり自信にもつながります。自己肯定感が育っていくのです。
愛着障害では、幼少時に満たされなかったことを成人しても引きずっていますので、その満たされなかった気持ちを補っていくのが理想的です。

うつ病や適応障害、不安障害、あるいは依存性など心療内科を受診する人の多くに、 愛着障害が潜んでいることがよくみられます。
このような人たちには、根本にある愛着障害の克服に目を向け、精神療法(心理カウンセリング)を併用し、少しずつ克服してゆく安定した心を成長することが大切です。

ご自分は愛着障害では?と気になる方は、お気軽にご相談ください。