不安の原因と対処の仕方

私たちは日々不安と隣り合わせで、「地震が来るのでは」「嫌われたらどうしよう」「がんになるのでは」など、不安は数限りなくわいてきます。

精神科医で臨床心理士の和田秀樹先生によると、不安は「大切なものを失う」ことへの恐れだそうで、不安という感情は、感情の中でも特にコントロールがきかず、人の判断力をも狂わせてしまいがちです。

不安や恐怖に支配されると、目の前の心配事しか見えなくなり、冷静な判断ができない「心理的視野狭窄(きょうさく)」に陥ってしまいます。

心身がストレスにさらされた時、冷静さを失い客観的に状況を分析することができなくなってしまいがちですが、これはストレスから身を守ろうと副腎資質から急激に分泌されるストレスホルモン「コルチゾール」の影響とのことです。コルチゾールは長く続くと脳を萎縮させてしまうほど強力な物質だそうです。
しかも、打ち消そうとしても、余計に不安感が増長されるばかりで、グルグル思考に陥ってしまいます。

では、そのような不安に襲われたら時どうしたら良いのか・・。
私が考えるに、1番は毎日マインドフルネスを(瞑想)取り入れる習慣です。マインドフルネスは、「セロトニン」というストレスを軽減する幸せホルモンの分泌が活発になりますので、脳の疲れを癒します。感情のコントロールが苦手な人には特にお勧めです。
そして、どうしても不安がわき上がってくる時には
1.「私は今、○○のことが気になっているんだな。私は今とても不安なんだな」と言葉にして自分の状態をを受け入れ、ゆっくり深呼吸を繰り返しましょう。この時注意したいのは、ゆっくり吐き切るということです。
2.次に、背伸びをしたり、お茶を飲む、少し動くなどしてください。案外不安な気分は簡単に入れ替わります。

また、両手を肩まで上げ、目をつぶって片足立ちするのも、効果的です。体が不安定なことに対して、不安へ向かっていた脳の活動が、体のバランスをとろうとする方向に向かうので、不安の気持ちが軽減します。

そして、なにより、普段から不安材料に、対処行動をとっておくことは大切です。例えば新しいことを始めるなら早めに準備をしておくなど。不安解消に向け理屈なし、考えすぎず「何かやってみる」ことです。気分も変わり、悩み続けるよりはるかに有意義です。

ウォーキングなどの有酸素運動や、心から楽しめる好きなことも効果的。心からやりたいこと、楽しいこと、好きなものをぜひ見つけてください。

ただし、もともと、生真面目で、不安を抱きやすい方もいらっしゃいます。もしも、不安で押しつぶされそうな時には、精神科医の受診が必要な場合があります。我慢せず受診を視野に行動してください。