繰り返し思い🌀悩む

ネガティブなことを何度も思い出して落ち込み、抑うつ気分を増長させる考え方のことを反芻思考といいます。精神医学的には「抑うつ的反芻」と呼ばれており、うつ病や不安障害、強迫性障害などとも関係があるといわれています。

心理学者スーザン.ノーレン-ホクセマ氏が行った研究では、「反芻傾向」の強い人は落ち込みやすく、ストレスを感じる出来事に出会うと無気力状態に陥りやすいとわかったそうです。

日頃からネガティブなことを思い出す習慣がある人は、ストレス耐性が弱い傾向にあるため、反芻を続けているうちに抑うつ状態がどんどん深刻になってしまう危険性があるのですね。

2種類の反芻思考
とはいえ、失敗を振り返って考えることのすべてが、精神に悪影響を与えるわけではありません。反芻思考には、失敗の原因が自分に向くか、他者に向くかの「リフレクション」と「ブルーディング」の2種類があります。

リフレクションは「どうして自分はこんなに失敗ばかりしてしまうのだろう」などと熟考することで、うつ病との関係は低いといわれています。失敗を自己分析することは、ある意味同じことの繰り返しを回避するプラスの側面もあります。

一方のブルーディングは「考え込み」ともいわれ、「もっとこうだったらよかったのに」など、周囲の状況がいかに理不尽だったかについて不満を膨らませる思考です。このブルーディングは、うつ病との関係が強いと考えられています。

反芻思考が深刻な場合は、認知行動療法などの治療を受ける必要があります。認知行動療法では思考の癖を見つけ出し、物事をネガティブに捉える傾向から脱する練習をします。

また、それほど深刻ではない場合には、マインドフルネスやスキーマ療法など他の療法も有効だといわれています。いずれにしても考えすぎる癖や心配事から距離を置くトレーニングを行うことで、反芻思考の頻度を減らすことができます。

ネガティブなことを繰り返し考える癖の方は、是非ご相談ください。