忘れられない 離婚のご相談
昔、今から20年以上前の話。(実話です。ご本人の許可を得た上で、家族構成など一部構成を変更してお伝えしております。)
ある日、静かでとても沈んだ様子の女性が、「貧乏しても離婚して生きていったほうがいいか、このまま我慢してお金に困らない生活をしたほうがよいか・・」とお越しになりました。
その方は、夫と、たしか小学生4年生と3年生、そして、3.4歳位のお子さんの5人暮らしでした。
よく聞かせて頂くと、お金はご主人からもらう生活費のみで、自分の貯金はほとんど無い。
夫は、妻や子どもよりも自分の母親が一番の人。あることから、突然夫は貯金通帳や健康保険証など持って自分の実家に帰ってしまった。アパートにはその方と子ども3人が残され、わずかに残った生活費とお米、冷蔵庫も底をつきはじめたとのことでした。その時、なけなしのお金を持ってご相談に来られたのでした。
その頃はスマホもない時代でした。私はお話しを受け止め聴かせて頂き、もしも離婚した場合の福祉などの情報をお伝えしました。またその方を支えるリソースは何かあるか、そして子ども達のことを一緒に考えました。取り敢えず少しの間なら親戚に頼れるとのことでしたので、まずは子どもたちも含め、そこに身を寄せ考えていただくことにしました。
それから数週間あと、再びその方はお越しになりました。
あれから後、西山公園でお祭りがあった時、子どもたちを少しでも楽しい気持ちにさせてあげたいと思い、連れて行ったとのこと。
そこにはタコ焼きの屋台があった。「これぐらいしか買えない…」そう思いながら、タコ焼を1舟だけ買ったそうでした。駐車場の軽自動車の中「食べね・・」とタコ焼を子どもたちに渡すと
真ん中の子が
「わぁー、1.2.3… 8つ入ってる! 」
「お母さんは? いらんの?」
母「いいから 食べね・・・」
「お兄ちゃん3つ 私は2つ… ◯◯ちゃんは3つや」そう言い、皆で交代しながら食べ始めたそうでした。
するとお兄ちゃんは「これ半分ずつにしょう」と、自分の3つ目のタコ焼の半分を真ん中の子にあげたそうでした。。
お母さんはその様子を見たとき、いつもは喧嘩ばかりしているのに “なんて優しい子たちなんだろう” そう思うと涙が止まらなくなったそうでした。
それと同時に、両親揃ってなくても、お金が無くても、きっとこの子たちは良い子に育ってくれるに違いない。この子達を守って生きていこう!そう決心したとのことでした。
泣きながら話されるその話しを、私も泣きながら聴かせいただいたことが、ついこの前のように思い出され、忘れられないご相談となっています。
夫婦の問題は、他人には見えない閉鎖的空間の中での問題です。
性格、価値観の違い、借金、家事の分担、モラハラ、異性問題、お金の問題、レス、DV、束縛、相手家族との関係、など、なかなか人に相談できない場合もあります。
福井ぴゅあカウンセリングルームでは経験豊かなカウンセラーが、安全な空間で安心してお話しいただけるよう努めております。気持ちの整理をしたい方 は、どうぞご利用ください。